世界は人類が経験したことのないようなパンデミックとなり、 2030年に向けたSDGs達成に後戻りするような影響を齎す現状となっています。 本イベントも昨年の第二回の授賞式は半年開催が遅延し、オンラインに よるハイブリッド型となりました。しかし、予測できなかったパンデミックを経験した私たちは 新しい未来を創造し持続可能な社会に変革をしていく大きなチャンス でもあります。 第3回SDGsクリエイティブアワードはそうしたミッションも含めて 作品エントリーにチャレンジして頂けたら幸いです。
SDGsが期待しているは「世界の変革」です。20世紀的な経済社会では地球全体が立ち行かないことは科学が明らかにしています。その変革の第一歩は、まず「SDGsとはなにか」を知り、SDGsの17目標にある社会課題に問題意識を向けることが起点となります。
アワードは、SDGsに関する優れた表現(クリエイティブ)を表彰しますが、最も大切なことは「SDGsとはなにか」や社会課題が、映像を視聴するひとにわかりやすく、ポジティブに伝わることです。SDGsは理念的ではありますが、具体的なアクションにつなげていくためには、現実の社会の問題や数字に落としてかみ砕いて考えてみることが不可欠だと考えています。
アワードで応募していただいた作品は、表彰後は一次審査を通過した作品を一般公開する予定です。したがって、学校や教室などの教育の場、セミナーや会合など地域社会の場、社員教育や普及啓発の場など、SDGsを学びたい、知りたい、なにか自分も行動してみたい、そのような時に「SDGsとはなにか」や社会課題がよりわかりやすく、ポジティブに伝わる動画作品が社会の共有の財産として常に視聴できることは、SDGsの普及促進、そして2030年の世界の変革に大きく貢献できるものと考えています。
今回のテーマに関する多様な情報を60秒に盛り込み、説明できることが普及啓発部門の動画イメージです。
下記は、パンデミックをきっかけとしたアイデアの視点を、皆様に考えて頂くきっかけの参考例として掲載します。(必須事項ではありません)
ひとつの目標に限らず「SDGsとはなにか」、つまりSDGs全体を説明する動画を作成する場合には、17すべての目標やアイコンを使用してもかまいません。
目標3「すべての人に健康と福祉を」パンデミックにより、人類の健康に壊滅的な影響をもたらしました。人々への健康を守るための感染症対策や防止、ワクチンの開発や研究なども視野にわかりやすく考えて見てはいかがでしょうか? |
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目標6「安全な水とトイレを世界中に」世界では、新型コロナ感染症により、手洗い、衛生設備へのアクセスができない国もたくさんあります。 また、水道水が安全に飲める国はわずかです。数値等を調べて水資源への課題、問題解決に向けて考えてみましょう。 |
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目標8「働きがいも経済成長も」パンデミックにより、 世界中で失業、労働時間の減少となりました。エッセンシャルワーカーと呼ばれる方の活躍があり、世界は回復に向かっています。働きがいのある仕事や 強制労働、児童労働がない人間らしく働く社会への普及啓発について考えてみましょう。 |
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目標10「人や国の不平等をなくそう」パンデミックにより 国家間だけでなく経済的な格差はさらに広がり、仕事、教育や暮らしまで格差は広がっています。すべての人々が参加して平等に活躍できる未来への行動を促すアイデアやビジョンを表現してみましょう。 |
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目標17「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」パンデミックにより、国際協力は分断してしまいました。官民、市民社会が再度協働して自国主義から脱出し、新しい国際協力が加速する普及啓発を表現してはいかがでしょうか? |
2021年、日本は100カ所以上のSDGs未来都市が誕生し、地方創生をあわせて SDGsを起点に地域課題解決から未来を創造する動きが加速しています。 また教育においても 探究学習を通じて持続可能な社会の担い手づくりが 始まりました。 多様なセクターが協働してSDGs達成に向けて本格的に動き始めた今、 映像の力を使って アクションを伝え波及していく作品を募集します。
第三回は特に、技術や研究、イノベーションなどビジネスを通じて 社会課題解決とSDGsへの貢献していく作品を募集します。
動画の尺は、今後普及啓発や教育の場面で、より多くのひとが活用できることを念頭に、使い勝手のよい60秒と180秒の制限をかけています。
また、表現の方法は、実写、アニメーション、インフォグラフィックスなど動画作品であれば一切の制限はありません。歌やダンスなど、言語の壁を超えるような表現も歓迎いたします。ぜひ、みなさんの創造性(クリエイティビティ)をSDGs動画作品に発揮していただきたいと考えています。
SDGsのロゴセット(国連広報センター)
▶http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/
「国連SDGs年次レポート」「2030アジェンダ」の原典(英語)や日本語訳、17アイコンのデータダウンロードなどSDGsに関する様々なコンテンツが掲載されているWEBサイト。
JAPAN SDGs Action Platform | 外務省 ▶https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
外務省が運営する国内のSDGsに関連した取組を幅広く紹介したWEBサイト。SDGsの進捗を検証・報告する国連ハイレベル・フォーラムの日本国資料やピコ太郎動画などのコンテンツも掲載。
内閣総理大臣を司令塔に全国務大臣を構成員とする持続可能な開発目標(SDGs)推進本部のWEBサイト。ジャパンSDGsアワードの公募や結果などのコンテンツも掲載。
企業を中心とした様々な団体がリーダーシップを発揮し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに自発的に参加するためのネットワーク日本版組織のWEBサイト。
「持続可能な開発目標」(SDGs)の実現にとりくむNGO/NPOなど市民社会のネットワークのWEBサイト。各種イベント、セミナー情報などコンテンツも掲載。
NGOの力を最大化することで、世界の社会課題解決の促進を目指すネットワークNGO組織のWEBサイト。日本全国のNGO約350団体の情報を集めたデータべースや国際協力に関するコンテンツが豊富。
朝日新聞社によるSDGs特集のWEBサイト。過去の連載記事や対談記事、動画コンテンツなどがアーカイブで閲覧できる。読み物としてSDGsへの身近な理解の助けとなるコンテンツが豊富。
持続可能な開発のための革新的な政策手法の開発及び環境対策の戦略づくりのための政策的・実践的研究(戦略研究)を行う研究機関のWEBサイト。持続可能な開発目標(SDGs)ステークホルダーズ・ミーティングのアーカイブも掲載。
SDGs17目標に関する解説映像や国内外の社会課題に関する動画コンテンツを無料(要登録)で視聴できるWEBサイト。海外のコンテンツには日本語訳もあり。
持続可能な開発目標とガバナンスに関する総合的研究(POST2015プロジェクト)がとりまとめた日本の諸課題とSDGsへの対応関係を整理した報告書。
持続可能な開発目標(SDGs)関連資料集をはじめ、世界の諸問題やこれまでの国際社会の活動に関する多言語でのテキスト文章のリンク先等が揃う。
SDGsは2015年9月、国連193の加盟国の全会一致で採択された『持続可能な開発のための2030アジェンダ(以下、2030アジェンダ)』の中核をなす世界共通の行動目標です。目標は、社会開発、経済成長、環境保全を網羅する形で17に分類され、各目標ごとに169のターゲットと232の指標が整理されています。カラフルな17のアイコンは、この目標を視覚的に伝達するための工夫として公開されました。
SDGsの理念は、「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」です。今日、従来の途上国における貧困や飢餓の解消のみならず、グローバル市場経済の拡大のなかで格差社会の歪に取り残された人たちの貧困や教育、雇用など、先進国においても新たな社会課題が顕在化しています。こうしたすべての国・地域の人々を包摂した普遍的な問題、さらにはエネルギー、都市インフラ、ライフスタイルなど2000年代以降の新たな課題を包括する目標としてSDGsは生まれました。
経済成長か環境保全か、途上国か先進国か、など従来の二項対立的な考え方を乗り越えて、経済の成長も、社会の安定も、環境の保全も同時に実現していくために、まず大きな理想を描き、ゴールに向けて各々の責任と役割において行動していくための「道しるべ」となるもの、それがSDGsです。
写真:国際連合広報局
17の並び方には理由があります。まず目標1から目標6までは、貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダー、水など、人間が生きていくための基本的なニーズを満たす「社会」目標と呼ばれるものです。SDGsの前身で主に開発途上国を対象としたMDGs(2000年~15年)を引き継いでいます。
次に、目標7から目標11までは、エネルギー、雇用・経済成長、技術・インフラ、格差・不平等、持続可能な都市など、先進国にもなじみの深い課題や「経済」の持続可能性を取り入れた目標群になっています。
目標12から目標15は、生産と消費、気候変動、海洋資源、生物多様性などで「環境」の持続可能性に関する目標、そして目標16の平和・正義、目標17のパートナーシップは、他の目標達成に欠くことのできない基礎的な要件として最後に位置付けられています。
写真:国際連合広報局
世界共通の目標であるSDGsですが、私たちにはどう関係しているのでしょうか。持続可能な開発目標は、言い換えれば持続可能な社会や地域を創り上げていくことと同義です。暮らしの周りの持続可能性すら危うければ、世界目標の実現もおぼつきません。一方で、食糧やエネルギーのように毎日の個人の暮らしを成り立たせているものですら、世界とのつながりを無視できません。
したがって、SDGsは、世界目標でありながら、わたしたち一人ひとりの目標でもあるのです。世界は人口増大による諸問題を抱えていますが、日本は人口減少・少子高齢化など固有の問題も抱えています。資源の枯渇や気候変動は、世界各地で問題を引き起こしながら、最終的には地球全体・人類全体の問題として取り組まなければなりません。こうした、グローバル、ローカルの問題のつながりを考えてみる。SDGsはその有効な手段なのです。
写真:国際連合広報局
まず第一には、みなさんの事業や活動をサステナビリティを中心の考え方に据えて実行するための、共有可能な目標にすることができます。持続可能な社会を目指すといっても、それ自体をわかりやすく説明したり、目標化することは非常に難しいことです。SDGsは、環境、社会、経済が統合した持続可能な社会像を提示し、その実現にむけてどう取組めばよいか(バックキャスト)のヒントを与えてくれます。
第二には、遠い国の問題や将来起こる問題、あるいは想像がつきにくい問題であっても、17の目標が互いに関連しあっていることから、サステナビリティの問題を自分ゴトとして考えさせてくれる力を持っているということです。ひとつの問題を解決するには、他の問題との統合的解決が不可欠です。それは、すなわち解決しようとしている問題の当事者のみならず、問題の連鎖のなかに自分の存在をどう見つけることができるか。その気づきや発見が、持続可能な社会への有効なアクションにつながります。
第三には、アイコンが示す通り共通目標として事業や活動を可視化し、あらゆる他者とのコミュニケーションが可能になるということです。問題の解決は、ひとりではできません。SDGsを利用して外部とコミュニケーションを図ることは、取組への共感や賛同、新たなイノベーションにもつながるでしょう。SDGsは目標17にパートナーシップを掲げています。SDGsを旗印に、垣根を超えた多様な協働が進むことが期待できます。